薬局薬剤師がSMOに転職ってどうなの？メリット・デメリットを解説。

開発職への転職を検討している薬剤師の方には「SMO」も候補として挙げられます。しかし、仕事内容などイマイチピンとこない方も多いでしょう

今回は、SMOの仕事内容や給与、転職するメリット・デメリットについてご紹介します。未経験で転職する方法についても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

そもそも、SMOとは？業務内容も解説。

SMOとは、治験を実施する医療機関で治験業務をサポートする業種のこと。SMOは「Site Management Organization」の略で、治験施設支援機関とも呼ばれます。

治験の手順や要件の把握、多岐に渡る必要書類の準備、被験者の対応、治験薬の管理など、医療機関だけで全て対応するのは難しいため、外部機関であるSMOに委託するわけです。

SMOの職種にはCRCとSMAがあり、役割分担がされています。職種ごとに業務内容を見ていきましょう。

CRC（治験コーディネーター）

SMA（治験事務局担当者）

SMAは治験事務局担当者とも呼ばれ、治験事務局に所属します。治験事務局とは、治験実施医療機関の治験に対する窓口となる部署です。

SMAの主な業務は必要書類の作成や治験審査委員会の運営、時には医療機関や製薬企業へ営業活動を行うこともあります。

もう少し詳しく見ていきましょう。

SMOとCROの違いは何？CRCとCRAの違いについても解説。

SMOと混同されがちなCRO、CRCと混同されがちなCRAについても触れておきます。

・SMO（Site Management Organization）： 治験施設支援機関
　治験を実施する病院から委託され、病院の治験業務を行う業種。

・CRO（Contract Research Organization）： 開発業務受託機関
　製薬会社から委託され、製薬会社の治験業務を行う業種。

・CRC（Clinical Research Coordinator）：治験コーディネーター
　病院やSMOに所属。治験を実施する病院側として治験の進行をサポートする職種。

・CRA（Clinical Research Associate）：臨床開発モニター
　製薬会社やCROに所属。製薬会社側として治験を進行し、モニタリングする職種。

SMOの給料や年収はどれくらい？

SMOの年収は350〜500万円が相場です。未経験で転職した場合は400万円に届かないことも多く、調剤薬局やドラッグストアに勤めている方は年収が下がってしまう可能性が高いでしょう。

また、同じ開発職であるCROに比べると将来的な高年収も狙いづらいため、給与重視で働きたい薬剤師には向かない職場と言えます。

薬局薬剤師がSMOに転職するメリット。

それでは薬局薬剤師がSMOに転職した場合どんなメリットがあるのか見ていきましょう。

達成感を感じやすい

SMOは「新薬の開発」といった明確な目標を持って業務にあたります。担当した医薬品が承認された際は世界中の患者様の治療に役立つことを考えると、プロジェクト終了時には大きな達成感を感じられるでしょう。

立ち仕事が少ない

薬局やドラッグストアでは1日中立ったまま作業することがほとんどです。そのため、足腰に負担を感じた経験がある方も多いのではないでしょうか。

SMOではPC作業や事務処理が多いため、必然的に立ち仕事は少なくなる傾向にあります。

土日に休みやすい

SMOは調剤薬局やドラッグストアに比べると土日休みの企業が多いため、プライベートの予定を立てやすく、ワークライフバランスを取りたい方に向いています。

働く場所が変わる

SMOではプロジェクトが終了するごとに担当する医療機関が変わります。薬局のように長期間同じ場所で働くことが少ないため、気分を入れ替えやすいと言えるでしょう。

また、プロジェクトを掛け持ちで担当することもあり、午前はA病院、午後はBクリニックなど、1日の中で働く場所が変わるケースもあります。

薬局薬剤師がSMOに転職するデメリット。

引き続きデメリットについても見ていきます。

年収が下がる可能性が高い

SMOの年収は調剤薬局やドラッグストアと比べて低い傾向にあります。未経験で転職した場合年収は下がる可能性が高く、それに伴い生活水準を落とす覚悟が必要です。

通勤時間が長くなる可能性がある

SMOはプロジェクトによって担当する医療機関が変わるため、医療機関の所在によっては通勤時間が長くなる可能性があります。プロジェクト終了までの一時的なものとはいえ、負担に感じる方も多いでしょう。

他職種とのやりとりが多い

薬局やドラッグストアでは他職種と接する機会は少ないですが、SMOでは他職種との連携が欠かせません。

CRCならSMAや治験責任医師、CRA、看護師や病院薬剤師、臨床検査技師など多岐に渡ります。情報共有をするにあたって理解力や伝達力が必須となり、慣れないうちは苦労する方もいるでしょう。

薬剤師の資格を100%活かせない

SMOで薬剤師の知識や経験を活かすことは可能ですが、薬剤師の資格は必須ではありません。そのため、文系大学出身の方なども多く勤務しています。

苦労して取得した薬剤師の資格を100%活かせないことに抵抗を感じる方もいるでしょう。

SMOが向いているのはこんな人。

ここまでSMOの仕事内容や給与、メリット・デメリットについてご紹介してきました。以上を踏まえて、SMOに向いている薬剤師についてまとめます。

薬剤師がSMOで働くやりがいについて。

薬局やドラッグストアでは対応した一部の患者様にしか貢献できませんが、SMOでは新薬の開発を通して日本中あるいは世界中の患者様の治療に貢献することが可能です。

他職種と協力しながら被験者のそばで治験の進行をサポートできるのはSMOならではのやりがいと言えるでしょう。

未経験でSMOに転職するなら転職サイトの利用が必須。

SMOは薬局に比べて求人数が非常に少なく、選考も難しい傾向にあるため、転職エージェントの利用が欠かせません。

転職サイトごとの求人数を見てみましょう。「CRC」「治験コーディネーター」「SMA」をキーワードとして、それぞれ検索した時の求人数は下記の通りです。

	CRC	治験コーディネーター	SMA
マイナビ薬剤師	107件	183件	31件
ファルマスタッフ	72件	56件	33件
【ヤクジョブ】	62件	55件	7件
【薬剤師の派遣・転職 お仕事ラボ】	41件	71件	3件
薬剤師専門の転職サービス【ファーマキャリア】	ー	ー	ー
【ファル・メイト】	ー	ー	ー
アポプラス薬剤師	ー	ー	ー

未経験ならファルマスタッフ

未経験でSMOに転職するなら『ファルマスタッフ』を利用しましょう。ファルマスタッフは大手薬局チェーンの日本調剤グループが運営している転職サイトです。

求人数の多さも魅力的ですが、とにかくサポートが手厚い！

特に、面接同行サービスは欠かせません。SMOの面接は薬局よりも難しいことが多く、転職エージェントのサポートが必須となります。事前にアドバイスもしてもらえるので、未経験で転職する方ほど心強いはずです。

SMO希望の方、SMOと調剤薬局で迷っている方は必ず登録しておきましょう。非公開求人は登録者しか確認できません！

求人数重視ならマイナビ薬剤師

SMO希望なら『マイナビ薬剤師』の利用もおすすめです。マイナビ薬剤師は、大手人材会社のマイナビが運営している薬剤師向けの転職サイトです。

SMOの求人数が一番多いため、自分に合った職場を比較しながら検討できます。

また、採用担当者との人脈が豊富なこともあり、会社情報や会社ごとの対策をアドバイスしてくれます。

サポートも充実！

面接同行サービスは利用できないこともあるようなので、希望の方は事前に相談してみましょう。